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放射能汚染の対応はどこですべきか? [業界話]

東日本大震災にともなう東京電力福島第一原子力発電所の事故による
放射能汚染の広がりは終わりが見えません。
広範囲に影響が及び、農水畜産品の出荷の停止・解除が
各地で繰り返されています。それに伴い、発生してしまったのが
出荷停止作物が店頭販売されてしまうという事故です。

2011年4月に千葉県香取市産のホウレンソウ約7800束が
一部生産者が出荷停止要請に従わず出荷し、市場で消化されていました。
これは確信犯でしかも市場で消化されるというお粗末さ。
市場はそういったチェックをきちんとしていないということですよね。
しかも仲卸もまったくそんなチェックをしていないモンだから
堂々と流通してしまうんですね。責任体制がしっかりしていない証左でしょう。

また同じく4月には、出荷自粛要請中の千葉県県旭市のサンチュが
首都圏のイオン店舗で販売されていたことが発覚、
回収騒ぎになり、しかも発覚翌日も不徹底により
1店舗(確か品川シーサイド)で再度販売されるというお粗末もありました。
これはバイヤーの判断が甘かったのと、
それをチェックする態勢が商品部の中になかったということ。
これに関しては店舗側に非はなく、クレーム対応にあたっただけ損な役回り。
しかし、発覚翌日も店頭に並べてしまった1店舗は売り場担当者のミスであり、
食品マネージャーの管理不行き届きで申し開きはできないでしょう。
普段のコミュニケーションに問題があったか、
いつも商品管理は担当者の気分次第というかルーズなところがあったので、
こういうニュースになるようなヘマを起こしてしまったはず。
SMの担当者は他山の石とせず、真摯に向き合う必要がありますね。

そして今度はイオンも郡山フェスタ店で出荷制限されているカリフラワーが
JAの産直コーナーに販売されていました。(リリースはこちら)
これに関しては間違いなくJAのミスです。非はJAに有りでいいでしょう。
リリースでは店舗側もチェックミスがあったとしていますが、
おそらく実体はノーチェックだったのではないかと思いますね。
産直コーナーはおそらく今はやりの生産者の顔写真を張った売り場のように、
生産者の顔が見える、地産地消、なんてようなコピーを打って、
納品されたものをただ売り場に並べるだけというのが実態ではないかと思います。
センター納品ではなく店直でしょうし、開店作業のどさくさで
いちいちチェックしている場合ではないというのが現場の姿でしょう。
そんな中で、店舗でマンパワーを割いてリストと照合するなんてことは
実際のオペレーションとして難しいのが現実だと思います。

本来であれば、検品と一緒でセンターで2重・3重のチェック体制を敷いて、
店舗での負荷をなくすべきであると思います。
では店直納品のものはどうするか、ここが問題になりますね。
放射能汚染問題は長期化、広域化してくことが確実ですので、
流通各社は売り場担当ではなく、専任者を配置すべきであると思います。
鮮度チェック担当、あるいは検収担当を増員してあたるしかないのではないでしょうか?
あるいは、店長、課長、マネージャーといった管理職が危機意識を持って自分で行うか。
いずれにしろ、売り場担当者に負荷をかければ、
それがさらにミスを誘発する可能性があります。
イオンで発生した1店舗だけ売り場に並んだとうのもここらが一因であるとも思います。

一義的にはセンターの監視態勢を強化しセンターで対応する、
そのチェック機能+店直納品のアイテムをチェックするために店舗に専任者を置く、
そういった投資が日本のSMには必要になってしまった、
それが東日本大震災の与えた一番大きな影響だと思います。
幸い、物流・商流は回復しています。売上も何とかなっているでしょう。
あとは商品管理をどうするか、コスト的に頭が痛いですが、
安全安心を売りにする以上、避けては通れない道だと思います。

震災後の影響・その5~メーカー欠品・放射線との戦いは続く~ [業界話]

日付は変わってしまいましたが東日本大震災から1ヶ月が経過しました。
東北の大停電は2度のおよび、1ヶ月目にも震度6の余震があり、
福島県のいわきは停電しているようです。
秋田も本震と余震で2度の停電に見舞われ、
流通業の店舗もいまだ欠品が続いています。
残念ながら正常化にはまだまだ時間がかかりそうな感じです。

欠品と言っても、当初は物流網の壊滅による供給の途絶によるものでした。
そこに消費者の買いだめが起こって需要が爆発、
一気に店舗から食料品が消えてしまった訳です。
そして買いだめの嵐はガソリンや軽油と言った燃油の欠乏を招き、
ガソリンを10リットル入れるのに2時間並ぶということが2週間程度各地で続きました。
これによって物資を運ぶトラックの燃料が確保できず、
物流網がさらに圧迫されるという事態も起こりました。
幸い2週間ほどで落ち着いてきましたが、
今度は被災によるメーカーの製造能力の低下と、
計画停電による生産量に限りが起きてしまい、
秋田の場合乳製品の欠品が続いています。
あとは、工場の被災によりたばこ、アルコール類、はかなり品薄、
ペット飲料もどうにか需要と供給のバランスがとれている感じです。

しかし燃油不足による物流網の麻痺というのは想定外でした。
もはや想定外という言葉は、日本で許されなくなりそうな雰囲気がありますが、
想定外なものは仕方がないですね。
これからは燃油の確保がロジスティクスの部門の課題になりそうです。
各社ローリーの5台10台は持つようになるかもしれませんね。

しかし一番の誤算は計画停電による欠品でしょう。
津波による火力発電所の停止と、事故による原発の停止長期化で、
各方面に操業停止、生産量限定という影響が出ています。
乳製品はその最たるものですが、あとは納豆もかなり限られています。
現状その2品でしょうか、一番影響が見られるのは。
代替品が無いですしね。豆腐なんかは比較的豊富になってきましたし、
一時消えたハムソーも潤沢になっています。
加工に時間がかかる商品が乳製品だったんだな、
と言うこと知った今回の震災です。
しかし、日本がだめなら世界から調達する、
という手段を執る企業もあるようです。
当分の間はこのメーカー欠品の商品をどうするか、
また開いた棚をどう埋めて商品を提供していくのか、
流通業界の真価が問われることになりそうです。

そして今回震災のもう一つの特徴である原発事故の影響もあります。
茨城産、福島産の魚から放射性セシウムが検出されたり、
北関東でほうれん草から同じく放射性セシウムが検出されるなど、
そのほかにも多くの食材で原発事故による食品の安全性が脅かされ、
売り場への商品供給が滞る可能性が出てきました。というか、出ています。
さらに追い打ちをかけるように、カゴメとデルモンテが
福島県産のトマト買い入れ中止を発表しました。
また、福島県の葉たばこ生産農家が作付けを断念というニュースもありました。
かなり多方面に放射線の影響と風評被害が出ています。

個人的には収穫前から契約農家のトマトを買い付けないというのは行き過ぎだと思います。
せめて収穫したトマトを検査して、それから結論を出しても遅くはなかったと思います。
こうなっている以上、無検査で無条件に買い上げろと言うつもりはありませんが、
検査の結果はじくという科学的な取り組みを行うことが、
いま流通業界、食品業界に一番必要なことではないでしょうか?
確かにいまでは福島県産というのは危ないというイメージを持たれています。
しかし、危ないものをはじいて消費者に届かないようにする取り組みは、
生産者、行政、流通業者と多段階でチェックしていけるはず。
このままでは、特に東北・北関東のSMから地場商品が消えてしまいそうです。
風評被害で売れないから仕入れない、「危険性がある可能性」が高いから扱わない、
こういったことではこの先どうなってしまうのかと思います。
生産する側としては当てにならないものを弾いてしまった方が、
生産計画も立てやすくなるでしょう。その方が再三もとりやすいです。
しかし、それではあまりに採算重視に過ぎませんか?

無味無臭、しかもよくわからないけど危ないことだけはわかっている放射性物質。
しかしこれから日本の食品業界はそれとつきあっていく必要がります。
どう考えたって、まだまだ原発からの放射性物質の漏出は続きそうですし、
撒き散らかされた放射性物質による残留放射線の問題は避けて通れません。
苦しいでしょうが、メーカー欠品に果敢に対策を立てるように、
是非前向きな取り組みを東北の農水産物・食料品に対して取り組んで欲しいと思います。

1ヶ月5回に渡って震災後の秋田の現状を書いてきました。
とりあえずこのシリーズはひとまず打ち止めにします。
書くとしても3ヶ月後、半年後といった節目ごとにしましょう。
また以前のように、見応えのある店舗と前向きな業界話を取り上げていけたら、
それがこのブログにとって震災復興の証になることでしょう。
まだまだそれまで書き続けていきたいと思います。

地震後の影響・その4~意外に長引きそうな一部商品の品不足 [業界話]

東北地方沖地震から2週間とちょっと経ちました。
ガソリンの流通はずいぶんと正常化し、
高速道路も各地で復旧して物流面の正常化が進んでいます。
SMにおいても、生鮮3品はほぼ元通りの品揃えとなり、
料理をする食材にはほぼ困らない状況になってきました。
また、トイレットペーパーやティッシュペーパーも
ほぼ全家庭に行き渡ったのか、落ち着いています。
買いだめ需要だけだったのでいったん落ち着けば
むしろ不良在庫としてBRを圧迫しそうですが。

一方で、相変わらずカップ麺、レトルト食品は入荷したらすぐ売り切れ、
乳製品、日配のハム・ソーセージのたぐいはほぼ壊滅状態が続いています。
菓子類や嗜好性の調味料(焼き肉のたれ、すき焼きのたれと言ったたぐい)も
ずいぶん売り場がスッカスカでかなり厳しい状況ですね。
あと、PBが壊滅しています。PBはしばらく入荷は見込めないでしょうね。
だって、自社製品の製造でメーカーはどこも大わらわな訳ですし、
輸入アイテムも輸送時間のタイムラグがあるので、まだまだかかりそう。
いま欠品しているアイテムは、おそらくゴールデンウィーク前くらいまで
時間がかかるかもしれませんね。全くないという訳ではなく、
また代替品もありますから(メニュー的に、ですけど)、
元通りになるまでもう少し気楽に待ちましょう。

しかし、今回の地震後の混乱で思うのはセンター物流弊害です。
センター物流により、効率化はされました。
しかし、センターが被災すると一気にその物流を受けている店舗が
すべて物流が止まってしまい商品を調達できなくなる訳です。
今は、店直で納品するのはごくまれな例外であり、
ましてや地場の零細製造業から調達するネットワークも無くなっています。

今回は東北の中心である宮城県で大きな被害が出ました。
おまけに、高速道路が止まったうえ、配送に不可欠な燃料もないというダブルパンチ。
イオンが全国の物流改革の手始めとして東北で始めた
RDCを中核とする物流が止まってしまったダメージは未だ尾を引いているようです。
また、全国の先駆けとなったシステムが止まってしまったというのも運命でしょうか。
秋田では、地場のSMである伊徳やタカヤナギの方が商品が豊富にあります。
イオン、マックスバリュはかなり厳しいですね。
集客力があるから売り切れてしまう面もあるでしょうが、
仙台からの物流が止まってしまったため、別ルートを構築するのに
手間取ってしまっているのではないでしょうか?
NHKでセブン&アイグループのイトーヨーカドーとヨークベニマルが
仙台の物流センターが機能停止して物流が止まってしまったと取り上げていました。
巨大流通グループはセンター物流により効率化を実現しましたが、
想定を超える天災には無力でしたね。

かといって、昔のようにすべて店直納品でセンター物流をやめろと言う論には与しません。
これはこれで平時に大きな力を発揮している訳ですから、
非常時のためにそれを捨てて非効率に走るというのはあり得ません。
むしろセンター物流はより突き詰めていくべきで、
非常時に何を備えるのか、ということをこれから対策していくべきでしょう。

今回の地震で燃料と電気の確保が大事だと言うことが明らかになりました。
今後は思い切って自家発電と地下燃料タンクの標準装備化が進むかもしれません。
以前青森のユニバースは電気代節減を目指し自家発電の店舗への併設を行っていました。
その後の燃料代高騰によりどうなったかフォローしていませんが、
そういった店舗(特に大型店であるモールやGMS,SSMなど)では自家発電は大きな選択肢です。
そして、自分でモノを取りに行くためのガソリンあるいは軽油を備蓄することです。
今回はモノはあるけど道路事情と燃料不足のため遅延していると言う話が多かったです。
より機動力に優れたバイクの装備、あるいは免許所有者の店舗への配置もありでしょう。
ホームセンターでは大型商品を運ぶための軽トラックを店舗に準備しているところがあります。
GMSだって社用車をもっているところもあるでしょうから、
自家発電の燃料タンクと一緒に軽油あるいはガソリンのタンクも設置、
危険物取扱主任者をおいておけば、対応は不可能ではありません。
まっ、そのための投資を出来るかどうかは売り上げに依存する(売り上げ大→収益大)わけで、
そういった意味でも大型SCを中心に、建物の強度以外でどういった震災対策を
流通業界が打ち出してくるか、今後フォローしていきたいと思います。

話はずいぶん大きくなってしまいました。
また今後の地震対策と言った話は改めて取り上げたいと思います。
しかし、ここまで物流を回復させた各企業には敬服します。
普段は商品部や店舗運営に注目が集まっていますが、
やはり商品を届けるロジスティクスが機能していなければ商売にならない訳で、
今回苦労されたロジ担当者に各企業ともぜひ光を当てて欲しいですね。
そして、がんばってあの空っぽの棚に、
商品を並べる喜びを従業員に味わってもらえる日が一日でも早く来るよう、
もう二息くらいロジ担当者にはがんばってもらいたいです。
そうすればわれわれもお店にお金を落としますよ!

地震後の影響・その3~売り場の正常化までもう少し [業界話]

東北・関東大震災とか、東日本大震災とか、いろいろネーミングが
つきつつある今回の地震ですが、ようやく物流が正常化する兆しが見えてきました。
生鮮3品(農水畜)はほぼ元通りといった感じでしょうか。
今日マックスバリュに行きましたが、刺身のつまが無かったくらい。
総菜はコロッケなどはなかったかな?
しかし日配はほぼ崩壊です。乳製品、飲料、デザート、
どこを見ても在庫限りという感じで回復にはしばらく時間がかかりそう。
これは北海道からの物流の問題でしょうかね。
加工は保存食の棚が満たされるのはしばらく時間がかかりそうです。
それまで米を食べましょう!
あと、リアル・マリーアントワネット生活を送る人が多いのか、
単に優先順位が低いからなのか、菓子の欠品もおおいですね。
おそらく後者であると思いますが、前者の可能性(特に若者)もそこそこあるかと。
でも、紙製品も在庫がちらほら現れ始め、
地震発生から10日経とうとしてようやく正常化の兆しを感じました。
地震後の週末はどこ見てもほんと閉店セール中かという売り場でしたから。

秋田は幸い停電が一番の影響でしたが、
高速の通行止め、JRの運休、太平洋側の港湾の機能停止による物流網の破綻と、
消費者の過剰な買いだめによる物流網へのかつてない規模での圧迫により、
東北から関東にかけての食品流通が崩壊しました。
大規模停電が各地で発生し、断水による危機感が与えた消費者への不安は、
想定を遙かに超えたものだった訳ですね。
各地で流通業界と地方自治体の災害援助協定が結ばれていましたが、
物流網の破綻はそれを吹き飛ばしてしまったといえるでしょう。
阪神・淡路大震災では被災地がピンポイントだったのが、今回は
東北から関東へかけての太平洋岸の交通網をすべて麻痺させてしまい、
日本海側からのロジに頼らざるを得ない状況だったわけです。
そうなっては地域への援助は在庫の放出に限られてしまった。
ましてや、太平洋側では津波によりその在庫自体も流されどうしようもなかった。
流通業界にとっても、今回は事後の検証が大事な事例となってしまいました。
陸海空がとざされ、現地での燃料補給が出来なければ、
片側通行どころか物資を送り込むことさえ出来ないわけです。
現地で乗り捨ててでもとりあえず送り込む、
そんな大胆なことをすることも出来ず、想定外の事態のみがおそっています。

そして原発事故の影響で、野菜や牛乳といった製品に
今度は残留放射線の問題が発生し、ただでさえ空きの多い売り場に
さらに空き要因となりかねない事態が発生しています。
計画停電が続けば、これからの夏場は冷蔵ケースの商品を
どうするかという問題に直面するでしょう。
現に、秋田では停電の影響で冷凍食品・アイス売り場は閉ざされています。

しかし、食品という生きていく上で欠かせないものを扱う以上、
流通業界、特に食品スーパーは立ち止まることは出来ません。
少ない商品で、少ない照明で、多くのお客様を迎えなくてはなりません。
消費者の買いだめと戦い、停電と戦い、物流と戦い、
そしてこれから現れる3月期の売り上げ不振と戦わなければなりません。
しかし、ものがあってよかった、という思いはからの売り場を体験しなければ、
やはり心の底から実感できなかったことでもあります。
流通業界の皆さんには、ものを売れる喜びを今後の糧にがんばってもらいたいです。

地震後の影響・その2~買い物は計画的に~ [業界話]

今日買い物行って驚きました。
保存食となるカップ麺や蕎麦、うどん、パスタはもちろん、
缶詰、レトルト食品は言うに及ばず、ペットボトル飲料も売り切れ。
そして何故かトイレットペーパーやティッシュペーパーまで売り切れてました。
停電の影響とロジのストップにより冷凍食品や生鮮食品が欠品してるのは分かります。
しかしなぜ紙製品が売り切れるのか?
ガソリンスタンドの行列もそうですが集団心理と言いますか、
周りに流されてる気がしてなりません。


今は買いだめして物資を囲い込むのではなく、ほどほどにして被災地に送るとき。
各地の物流も1週間もあればずいぶん落ち着くはずですから、
あるものを適度に消費すれば買い置き保存食も入れ替えることになるし、
物流が安定したらまた買えばいいんです。
流通業界は「物が無くて申し訳ない」という趣旨の張り紙で消費者に謝ります。
むしろ、買いだめは敵だ!とは過激かも知れませんがそのくらいキャンペーンやって欲しいですね。

関東も計画停電で大変だと思います。しかし、適量以上の買い物は負荷以外のなにものでもないです。


買い物は計画的に!!

地震後の影響・其の1~しばらく負荷をかけないように [業界話]

2011年3月11日、秋田市も震度5強の揺れを受け、全面停電しました。
翌日12日夜にはかなり復旧したようですが、
まだまだダメージは多いようです。

流通業は11日は停電後も、手計算で販売を継続したようですが、
暗くなったら閉店した店舗が殆んどみたいです。
夜コンビニに買い物に来て閉店を知り諦めて帰る買い物客を目にしました。
真っ暗な市内は雪が降ったこともあって余計寒々しく、
地震の影響が広い範囲で及んでいることを実感しました。
私も敢えて店舗を見て回ることはしません。ガソリンは貴重品ですし、
必要な人に必要なものが行き渡ることが大事ですからね。

今は物流も破綻しているハズなので、もう数日は敢えて買い物には行かない積もりです。
備蓄食料で凌ぎ、物流に負荷をかけないのが協力かと思いますので。
もうすこし落ち着いたらまたブログで地震の影響を考えたいと思いますが、
電気が来てはじめてテレビを見て絶句してしまいました。
被災者の方にはかける言葉がありません。お見舞い申し上げます。


まずはライフラインの復旧してないところヘの物流を優先してもらい、
復活したところはしばらく保存食でいきましょう!

「イオン」になりきれない「サティ」 [業界話]

昨日「イオン」に変わって6日目の旧サティにいってきました。
やっぱり店外の看板は全くもって変わる気配無く・・・ドーするんですかね。
って、そこはまぁおいとくとして、ふと気づいたことを書こうと思いました。

タイトルにしましたが、まだイオンになりきれないなぁ、
と思ったのは店内放送を聞いたとき。
「本日もお足元の悪いなか、秋田サティにご来店・・・」
となって、一呼吸置いてからもう1回チャイムを鳴らして、
「本日もお足元の悪いなか、イオン秋田中央店にご来店いただきまして」
と本来のアナウンスをやり直していました。
やっぱりもう10年以上言い慣れたブランドを言い換えるのは
大変なんですね。すっかり染みついてる感じ。
おそらく電話をしてみれば、まだチラホラ聞こえると思いますよ。
「お電話ありがとうございます。秋田サティ○○でございます」
って感じの応対がね。こればっかりは仕方ないでしょう。
時が解決してくれるのを消費者もほほえましく思ってくれるでしょう。

あと、店内でチラホラサティを発見しました。
バックヤードの入り口には従業員以外立ち入り禁止の表示が
ありますが、その署名は秋田サティのまま。
ちっちゃいところはボロボロ残ってます。
業界は違いますが、アップルだったらきっとこんなことは許されないでしょう。
あそこまでデザインにこだわりブランドにこだわり店舗にもWEBサイトにも
みな統一した世界観を出そうとしているのですから。
アップルまでいったらすごいですが、
それこそ店内内装や什器まで統一するなんて不可能ですから、
加減が大事ではありますけどね。上には上がいると言うことで。

合併でブランドが統一されるといえば、銀行を思い出します。
銀行ってみな看板を事前に工事しておいて、
進行名の上にシールとかで旧行名を書いておきますよね。
そして合併当日にそれをペロッとめくってお偉いさんがパチパチ拍手をする。
あのイメージがあるせいか、今回のは違和感がある次第。
WEBサイトはデザインが旧ジャスコのものに統一されていますし、
旧サティのサイトにブックマークで飛ぶと新サイトへのリンクがでます。
こちらはすすんでいますね、IT部門の面目躍如というところでしょう。
ある意味イオンの得意な空中戦と言えるかな??

イオンの細かいことを気にしないといいますか、
そこまで経費をかけなくても良いと思うのか、
まぁきっちりやならなくてはという企業文化は無いことがわかります。
カネの問題じゃないですよね。やるなら徹底的にやらないと、
いつまで経っても小さいところが残り続けてこういうブログで書かれちゃったりします。
別に叩こうと思って書いているわけではありませんけど。
ブランドを大事にするということを考えた場合、
徹底的にやった方が良いんじゃないですか、
という意見ですので揚げ足取りとは勘違いしないで下さい。

随分脱線しましたが、サティとえばカゴ。
基本はイオンと表示されたカゴですが、
一部「MYCAL」を消したカゴもありましたね。
うっすら残ってるのが見えてしまいました。
まぁムダにしないのは良いことだと思います。
別に名前変わるだけだから書き直したっていいじゃないかと思います。
ただ、色違いが同居するのはどうかと思いますが。
せめて売り場ごとに新旧を分けるとかはあっても良いと思いますね。

さて、あともう一つ気になったこと。
公的な届出ってどうなるんでしょうか?
肉売り場の冷ケース脇に食品衛生法に基づく食肉販売業の証書が
掲示されていました。店名が入っていますがもちろん秋田サティのまま。
こういったのって、名称変更の届出とそれに伴う再発行っていらないんですかね?
だいたいお役所への届出って名称変更だけでも
修正しないといけなかったりするイメージがあるんですが。
あとは計量シールのついたオートパッカーとか。
計量法は機械にするものだから良いのかな??
などなど、いろいろ考えると出てきそうです。
おそらく電力会社とかガス会社はすぐ対応してくれそうですけど、
公的な届出がどうなるんだろうと疑問を持ちました。

名前を替えるって、いろいろ付随することが増えてきて大変ですよね。
担当者が本でも出してくれないかなぁ、なんて思ったり。
結構面白いことが多そうですしね。
おそらくこれから物流面も変わるでしょうし、
消費者に見えないバックオフィス部門も変わるはず。
しかしそういった苦労を乗り越える価値があるからこそ「イオン」に生まれ変わった訳です。
新しい価値を我々消費者にどう提供してくれるのか、
店内外もすっきりイオンに生まれ変わるまで待ってあげた方が良さそうです。
そんな思いをもった旧サティ訪問記おまけでした。

イトーヨーカドー元社員による食品偽装事件の決着(ver.2) [業界話]

少々時間が経ってしまいましたが、イトーヨーカドーは2011年1月11日に
元社員による食品偽装事件についてプレスリリースを発表しました。(リリースはこちら

概要としてはイトーヨーカドーが輸入したウナギの蒲焼きに
禁止物質残留問題が発生し、いったん直輸入品の販売を差し止め、
生産ロットごとに厳格な自主検査を実施したところ、一部に不合格品を発見した、
そして、不合格品については返品・廃棄、合格品は自社で販売すると共に、
その一部を製造元の責任で外部にも販売して消化することにした言う話です。

ここで言えるのは、イトーヨーカドーの輸入品に対する自社検査が
きちんと機能していたため禁止物質の残留を確認できたわけで、
検査部門の有効性を改めて示すもとなりました。
普段はコストセンターに過ぎないと見られがちな部門も、
リスクヘッジという面では大きな役割を果たしたわけで、
今後も技術を磨いて活躍してもらいたいと思います。

また、こういう事案の場合は、輸入品全量を無理矢理返品するというのが
日本の流通業にありがちな姿です。雪印乳業の食中毒事件や
不二家の賞味期限切れ原料使用問題では、
全ての商品が売り場から撤去され、おそらくそのほとんどが返品されたはず。
こういうヒステリックな展開が多い中で、
合格品については自社で販売もしていたというのは、
責任ある小売業として望ましい姿だと思います。
問題のある商品を販売するのは問題ですが、
こいう勇気ある決断には拍手を送りたいです。

が、そのあとの展開に疑問を持ちます。
特に合格品については中国の製造元の責任で外部に販売する、
これって、外部に販売した分は実質的な返品であり、
しかもそれは製造元の責任と言うことでヨーカドー色を消すことに熱心な印象を受けます。
そして、その外部への販売の際に元社員がいわば「箱のリパック」を行っていたわけです。
製造元の責任で販売されたものに何故元社員が関わったのかはよく分かりませんが、
なぜ外部への販売がヨーカドー自身でなかったのか疑問です。
自社で輸入したなら自社で販売すればいいものを、
回りくどく処理しているのはなぜ?という疑問は持たざるを得ません。
それに、グループ企業に下ろす以外に外部に販売するってやってるんですかね?
自社で輸入したのだから自社で完結しておけば
こういうことにはならなかったのではないかと思いますし、
なにより2大流通グループのセブン&アイホールディングスで売れなければ、
後はどこで売り切るのか?と素直に疑問に思います。

このような流れを見ると、元社員の独断であったとしても、
イトーヨーカドーは真摯に向き合っているかというと少々疑問を持ちます。
この元社員はおそらく商品部の人間でしょうが、不良品を扱った責任を感じていたはず。
評価や会社の損害を考えると、取引先と多少の無理はしかねない状況でした。
もちろんイトーヨーカドーの人事制度上、この元社員がどういう扱いを受けたかは知りません。
世の中の通例で言うと私はこう思う、ということであることを申し添えておきます。

ここでは、この元社員を責めるのではなく検査部門を褒めるべきで、
そういう風土を作っていくべきだと思います。
つまり、こういう場面では減点主義ではなく加点主義ですね。
残留物質を検出してふさわしくない商品が流通するのを阻止したという加点であって、
売れない商品を見つけて会社に損害を与えたという減点はしないだと。
もし検査が杜撰で販売した後に問題が発生したら、
仕入れ費用の何倍もの損害になるわけですしね。

それに、業界全体の話といっていいと思いますが、
商品部でヘマをして追い出されるという話を耳にします。
未だに職人のような徒弟制度を敷いている人物は多いですからね。
上司と部下の人間関係において、社員のメンタルヘルス管理は
流通業はかなり遅れていると言わざるを得ないでしょう。

そういった流通業にありがちなさまざまな職場環境が
マイナスに作用した事例ではないかと思います。

もちろん、不正行為を行ってはいけませんし、その罪を償う必要があります。
ただし、こういった話は流通業界に無くならない話でもあり、
極論すれば、商取引を全て自動化しない限り延々と続くことでしょう。
しかし、そんなことはどだい無理なわけで、
ならばフォーマル組織とインフォーマル組織の両面から
不正を防ぐことにつながる取り組みをすべきだと思います。
そう、インフォーマルなところでも不正をしないという雰囲気が作れるかどうか、
そして減点主義と加点主義をうまく使い分けて、
従業員を守っていくことに取り組むべききっかけになって欲しいと思います。

残念ながら今回の件でヨーカドーさんは社員の暴走に巻き込まれた
単なる雇用者・傍観者のような態度に思えてなりません。リリースでは、
「商品本部長、海外部、QC室とセブン&アイHLDGS.法務部、同FT委員会の合議により、」
今後外販する際は決済を行うとありますが、こんなに多数のセクションで合議できるの?
と思わざるを得ません。やはり「制度」ではなく「人」の問題だと認識すべきでしょう。

最後に今回のウナギの話で思いついたことを少々。
どうも売れ残ったのを損害を少しでも少なくして処理したかったのでしょうが、
だったらいっそのこと従業員にでもただで配ってあげればいいのに。
現物支給はみな喜びますよ。安全だと自信を持っているなら何の問題もないはず。
外部に無理して出すくらいなら、従業員のモチベーションも上がるし、
まるまる損害にはならないはず。そこでまたウナギについてアンケートでも採って、
翌年のウナギ蒲焼きの商材開発に生かしていくくらいやれば、
まさにチームMDといった感じになりませんか??
災い転じて福となす、そのくらいの投資をする体力、ヨーカドーさんにはないですかねぇ・・・
まだまだあると思いますよ。ケチらずに有効活用する手はいくらでもありますから、
もっと柔軟な発想を心掛けましょう!

(一部加筆し、ver.2としました。)

交通系ICカードの相互利用サービス実現へ~電子マネー新時代~ [業界話]

一部マスコミ報道が先行しましたが、2010年12月20日付けで
各地の交通系ICカードの相互利用サービスの検討開始を発表しました。
(代表して、というわけではありませんがJR東日本のリリースはこちら)

電子マネーはsuicaに始まって全国に普及しています。
現在では交通機関での利用のみならずマチナカへの進出も進み、
一番身近な電子マネーとなっているといえます。
交通系といっても、元祖電子マネーEdyはもとより
流通系の電子マネー(WAON、nanaco)も全て基本は同じFelica規格。
システム上乗り入れはさほど難しくないのが公然の事実ながら、
大人の事情で相互利用が限られていました。
現在だと、suicaとicocaの2枚持ちをすればほぼ全国をカバーできますが、
それはそれで面倒ですよね。(私も東北人なのにその2枚持ちだったりしますが)
suicaとpitapaの相互乗り入れも当初の発表ではとっくに実現しているハズでしたが、
いまだ叶わずむしろ全くその気配が無かっただけに、
今回の発表は嬉しくもあり、またホントかなと疑いを持ったりします。

利用者からすればこれらは統一されれば非常に便利です。
ただ、流通業界から見ればまた違った景色が見えてきますね。
一番の注目は電子マネーも相互利用できるようになるかでしょう。
流れ的に電子マネーも相互に開放されるでしょうから、
交通系のICカード1枚で全て事足りる時代になりそうです。
そしてsuicaの優位性が高まりそうですね。
なぜなら交通系は流通業の店舗でも使えますが、流通系はJR・私鉄では使えません。
この片務性(?)がもたらす電子マネーとしての差異は大きいでしょう。
電車でも店舗でも使えるならば、みな交通系を利用するに決まっています。
特にICカードはデポジット制なので返却すればいくらか戻ってきますしね。
今持っているカードを整理する動きが見られるでしょう。

流通系の電子万ーといえばイオンのWAONとセブン&アイのnanaco。
イオンはsuicaとの提携を行っていますから、真っ先に影響を受けるかも知れません。
suicaによる手数料の支払いと、売上の関係をどう見るかによると思いますが。
ただ、新しいものへ扉を閉ざすよりは、止められぬ流れなら
乗ってしまった方がいいに決まっています。
その長所短所を実際に売上・サービスとして感じながら
その対策を取っていくべきで、それは実際に扱わないと分からないことだらけ。
その点でセブン&アイはnanacoにこだわり他社との提携が少ないです。
特にセブンイレブンはクレジットカードだってようやく使えるようになってきた位ですから、
そうやってみると電子マネーの対応については一番影響を受けるのは
やはりセブン&アイグループではないでしょうか。

あと2強以外の流通業がこれによって電子マネー対応が進む可能性があります。
交通系1つに対応しておけば言い訳ですから。
全国チェーンの場合はどの交通事業者と組むかという問題は発生しますがね。
JR東日本と組むか、東海と組むか、西日本と組むか、あるいは私鉄の協議会と組むか。
電鉄系の流通企業は協議会と組むでしょうが、ユニー、西友あたりが
取り合いになるかも知れません。

残るEdyですが、こちらも楽天傘下に入って流通系とも言えます。
が、こちらは元祖電子マネー。楽天が強力にプッシュしています。
はたして交通系にどう対処していくのか注目です。
どちらかというとネット決済システムに特化していくのかな、と思います。
PCにfelicaポート搭載も進んでいますから、
クレジット決済の補完、あるいはそれに取って変わる可能性が高いでしょう。
これからは少額のネット決済も増えそうですし、ネットでチャージできるようになれば
より利便性が高まります。クレジットとの紐付けでチャージは現状でもできますが、
今後銀行口座との紐付けができれば普及する可能性が高そうです。

これから電子マネーの存在感は流通業界で高まるはず。
どんな動きが出てくるか注目です。

IY秋田店跡の意外なその後~セブン&アイホールディングスの撤退戦~ [業界話]

イトーヨーカドー秋田店が閉店して早1月以上。
ヨーカドーのあったビル(秋田ショッピングセンター)は
B1~6階がすっぽりと空き只今リニューアル工事中です。
12月1日にはフォンテ秋田としてリニューアルオープンします。

B1にはセブン&アイホールディングス傘下・シェルガーデンの
出店が決まっていました。それでも2フロアくらい空きそうだということで
公共施設の配置要請をするなど駅前の空き店舗対策の典型とも言える
状況が続いていました。ところが昨日になってロフトが出店するというニュース。

ちょっと意外です。まぁ駅前という立地的にはロフトにジャストですが、
秋田に進出してくれるとは思ってませんでしたからね。
もちろん小型店ですが、あるなしでは大違い。
駅から直結した通路沿いで人通りの多い2階に出店するらしいので
個人的には期待が大です。

ただ、このニュースを聞いて思いました。
イトーヨーカドーが撤退して、シェルガーデン、ロフトが進出する。
まるで親がでていったところを息子たちが頑張って罪滅ぼしをしているような・・・
シェルガーデンも秋田に出てくるのが実は初の地方進出ですし、
ロフトも秋田のようなローカルにでるのは初めてに近いでしょう。
三大都市圏プラス政令指定都市、みたいな感じですし。
シェルガーデンについていえば、秋田西武のデパ地下とのカニバリをどうするか、
そしてそれ以上に問題なのはその高価格帯に需要があるのか、
というところにつきるでしょう・・・
ロフトは駅前に多い高校生大学生をがっちり押さえられるので
意外に大ヒットする可能性はあります。が、なんせマーケットが小さいですからね。
秋田の雑貨マーケットの9割くらい押さえられれば成功間違いなしでしょうけど。
でも、それなりにうまくいくと思いますよ。

で、話を戻しますと、秋田にはグループ企業を出したのに、
何故うちにはでないんだという声が今後の閉店店舗の地元からでるのでは?
ということです。うまくいけばいいですけど、セブン&アイにとって、
悪しき前例になる可能性もあります。
これがセブン&アイが地方での新たな事業展開を狙っている
テスト出店だったらかなり思い切った戦略と市場開拓になると思います。
地方の多層階を閉めたらグループの商業ビルに業態転換する。
イオンではフォーラスという形で数店舗残しましたが、ファッションビル。
秋田フォーラスももともとジャスコでしたしね。
イオンにはできなかったことをセブン&アイが実現するのか。
もしそうだったら脱帽ですね。
いずれ行方を見守りたいと思います。

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